エネルギー事業
炭酸ガスと水から石油(n-アルカン)を合成できる石油生産装置を販売しております。 常温常圧で効率的に石油を化学合成し、燃焼後に硫黄酸化物SOXや窒素酸化物NOXが出ません。 生産できる石油は軽油や重油など様々。 それらを人工軽油※、人工重油、総称人工燃料と呼んでいます。 炭酸固定による再生エネルギーの製造を可能とした、 地球にも人体にも優しい、まさに脱炭素社会に向けた夢の再生燃料製造装置です。
※人工軽油の組成 C:約86%、H:約14%、N:0%、O:0%(元素分析結果)
人工燃料製造装置の概要
POINT 01 炭酸ガスと水で石油を生産できる
石油は、炭酸ガス(CO2)の超微細気泡と特殊光触媒から作る活性化水(ラジカル水)に、 種となる石油を混合することで製造します。 非生物的石油生産であり、材料が枯渇することも事実上ありません。
POINT 02 総発熱量は市販石油とほぼ同じ
本装置で製造した人工燃料(新油)と種とした市販石油(元油)はどちらも同程度の発熱量です。 新油 46,010J/g 元油 45,990J/g※日本工業規格JIS K2279による測定結果。
POINT 03 安価なランニングコスト
人工燃料の生産は、常温常圧。 巨大な設備も必要としません。 そのため、安価なランニングコストを実現しました。
POINT 04 装置の大きさは20ftコンテナ2.5台分
石油を造る装置と聞くと、巨大な設備を想像するかもしれません。 この人工燃料製造装置は、20ftコンテナ2.5台分に性能をコンパクトに集約、 極めて高い生産性を実現しました。※20ftコンテナ外寸(ISO規格):6,058x2,438x2,591mm
POINT 05 軽油も重油も灯油もできる
POINT 06 燃焼後にSOXを出さない
本装置で製造した人工燃料は、硫黄(S)や窒素(N)を含みません。 そのため燃焼しても、ぜん息や酸性雨、また光化学スモッグの原因ともなる 硫黄酸化物SOXが発生しません。 窒素酸化物NOXも、空気中のN2由来のNOX以外は発生しません。
POINT 07 人工軽油で燃費性能が最大1.4倍に増加
本装置で製造した人工軽油は日本工業規格(JIS)に適合しています。 これを使うと車のエンジン燃費性能は1.15~1.4倍※に 走行距離を延ばすことに成功しました。 しかも、煤(すす)が激減。排気ガスがきれいになるばかりではなく、 エンジン音も静かに。ノッキングもほとんど発生しなくなりました。
※数値は一例です。
POINT 08 地球温暖化防止に大きく貢献
人工燃料の材料の1つが炭酸ガス(CO2)。 つまり、製造により炭酸ガスを消費します。 このことは企業レベル、また国家レベルで排出権取引※1を有利にできます。 また、究極の炭素中立※2(カーボンニュートラル)の実現が期待でき、脱炭素社会に貢献します。
※1排出権取引:各国家や企業には温室効果ガスの排出許容枠があり、余った排出枠を、超過してしまった企業や国家とトレードできる制度。
※2炭素中立:人為的活動の際に排出されたCO2と吸収されるCO2が同じ量という概念。
POINT 09 ビジネス競争力の向上
人工燃料により、トラックや船などの燃料費の削減、 また、火力発電にも利用されれば、将来的に電気代も安くなることが期待できます。 これはビジネス競争力のベースアップ、ひいては国際競争力も高めます。
人工燃料ができる仕組み
STEP 01
炭酸ガス(CO2)のナノバブル(超微細気泡)を水に供給します。 ナノバブルはナノメーターオーダーの気泡です。 この気泡は水面に上昇せず、水中に滞留します。
STEP 02
すると酸素がオゾンに変化。オゾンが光触媒と反応し ヒドロキシラジカルなど反応性の高い活性酸素種が発生します。 この活性酸素が炭酸ガスを一酸化炭素に還元します。2CO2 ⇒ 2CO + O2(反応1)光触媒により、水が分解され水素と酸素が発生します。2H2O ⇒ 2H2 + O2(反応2)反応1と2で、CO2 + H2O ⇒ CO + H2 + O2(反応3)となり、一酸化炭素と水素が発生した、化学反応を起こしやすい ラジカル状態の活性化水となります。
STEP 03
活性化水と、炭化水素(種となる石油)を混合します。すると、乳化して白濁します。
STEP 04
さらに、空気中の炭酸ガスが吸収されます。 すると、反応3で生じた一酸化炭素と水素がラジカル重合で連鎖反応し、 炭化水素(石油)が発生します。nCO + (2n+1) H2 ⇒ CnH2n+2 + nH2O (反応4)したがって、nCO2 + (n+1) H2 ⇒ CnH2n+2 + nO2 (反応5)静置すると、水層と油層に分離します。
水が10%減少し、炭化水素(石油)が約10%増量しました。
市販の軽油と人工軽油を比較
成分の比較炭素数毎の成分分布は以下の通りです。
Carbon nomber in oil | Original oil | New oil |
C8 or less | 2.11 | 1.41 |
---|---|---|
C9 | 4.75 | 3.20 |
C10 | 9.93 | 6.78 |
C11 | 9.23 | 6.92 |
C12 | 7.38 | 6.06 |
C13 | 6.90 | 6.18 |
C14 | 7.16 | 6.93 |
C15 | 8.84 | 9.32 |
C16 | 7.99 | 9.24 |
C17 | 7.69 | 9.21 |
C18 | 6.72 | 8.91 |
C19 | 6.06 | 8.06 |
C20 | 3.86 | 5.16 |
C21 | 3.16 | 4.13 |
C22 | 2.49 | 3.26 |
C23 | 1.92 | 2.19 |
C24 | 1.47 | 1.46 |
C25 | 0.97 | 0.81 |
C26 | 0.65 | 0.43 |
C27 or more | 0.73 | 0.37 |
成分比率の差は以下の通りです。 いずれの炭素数も3.2%以内の差であり、ほぼ同等の成分であることがわかります。
Item | Results | Method | |||
---|---|---|---|---|---|
Original oil | New oil | ||||
1. | Reaction | – | Neutrality | Neutrality | JIS K2252 |
2. | Flash point(PMCC) | ℃ | 73.0 | 82.0 | JIS K2265-3 |
3. | Kinematic Viscosity(30℃) | mm2/s | 3.479 | 3.710 | JIS K2283 |
4. | Pour point | ℃ | -15.0 | -12.5 | JIS K2269 |
5. | Residual carbon | Mass% | 0.01 | 0.04 | JIS K2270-2 |
6. | Water, KF method | Mass% | 0.0063 | 0.010 | JIS K2275 |
7. | Ash content | Mass% | 0.001 | 0.001 | JIS K2272 |
8. | Sulphur content | Mass% | 0.0007 | 0.0007 | JIS K2541-6 |
9. | Density(15℃) | g/cm3 | 0.8295 | 0.8311 | JIS K2249-1 |
10. | Distillation Temperature | JIS K2254 | |||
10% distillation temp. | ℃ | 217.0 | 226.0 | ||
50% distillation temp. | ℃ | 271.5 | 274.5 | ||
90% distillation temp. | ℃ | 326.0 | 328.5 | ||
11. | Cetane index | – | 56.2 | 56.9 | JIS K2280-5 |
12. | Gross heat of combustion | J/g | 45,990 | 46,010 | JIS K2279 |
13. | Cold filter plugging point | ℃ | -10 | -10 | JIS K2288 |